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2005/7
2005/7/23 地震
コーヒーチェーン店でテイクアウトの注文をし、
狭い通路の壁際で待っていると、
グラグラグラ……グラグラグラ……
超大型トラックでも通ったかと、世田谷通りを眺めたとたん、
ぐあらぐあらと大揺れ。しかもちょっと長い。
え? げっ! (おっ落ち着け) ←心の声
壁に背をつけ、となりの棚から一歩遠ざかり(くずれなかったが)
周囲を見回す。

ふだんだったら、お互い無関心に行き過ぎる空間で、
見知らぬ女性客やカウンターのスタッフの女の子たちと、
次々と眼で確認しあう。
火、棚、退路、パニック、お互いの無事。
(そうそう、必要な場合は、まず周囲に「落ち着けっ」と叫べと父に言われた)
けっこう、みんな冷静だゾ。
んで、ちょこっと感じいい、眼だけの交流をしちゃったい。


ちなみにずっと以前、ここのお店に入ったとき、
パンがトースターの裏に落ち込み、こげこげのなる事件(?)に出くわした。
危険はなかったけれど、匂いがね。
つまり火事(?)と地震に出くわしたわけだな、ここで。
次は……??


家路の途中、携帯電話でTVをつける。
地震速報で、震度5とか4とか。
街中は、平和だ。
救急車や消防車の気配もなし。
頼もしいぞ、世田谷区民、東京都民。

観劇帰りゆえ、劇場がちょっと心配。
ソワレは大丈夫かな。オフィスは今ごろ大変だろな。

おうちに帰ると、
アンティークの食器棚の扉が半分ひらき、
カップの隙間に飾ったはずの
ナイトメア・ビフォア・クリスマス(熱愛するアニメ)のジャックのフィギュアが、
ちょっと大変になっていた。
キャラを知っていたらわかると思うが、安定感ないから。

電話が鳴る。
「郵便のお届けですけど、チャイム鳴ってますか?」
え? いいえ。今、開けます。
すぐにまた電話。
「オートロック、開かないみたいですよ」
ごめんなさい。す、すぐそちらに行きますっ。
「これも地震のせいですかね」


TVをつけて、東京中の電車が止まっていることを知る。
気持ちは劇場に。
ソワレ(夜公演)のお客、開演までに無事に劇場に着けるかしら。
少し、開演を押すのかな。でも子役がいるから無理?
次に、気づいて青くなる。

わたしはぼおっとして、うっかりまっすぐ家に帰ってきてしまったのだった。
渋谷で降りて買い物してたら、
三軒茶屋まで歩いて帰るハメになったかもしれなかった?
この高く細いヒールのサンダルで?

うわっ。
(ま、こんなことで青くなれるのは、無事だったからだな)

   

2005/7/23 鏡
「鏡の中の自分」に、
首を傾げて訊いてみる。
……大丈夫?

鏡の中では、自信に満ちてダイジョウブと笑う、けれど。
人生のかわし方とでもいうのか、
あなたはバランスの取り方とか自分のなだめ方を覚えて、
奥深くではちっとも大丈夫ではないのに、
もしかしたら、自分でも気づいていないのでは、ない?
奥底で、涙かなんかが飽和してない?
キズつきながら、無言で叫んでいたり、してない?

鏡のこっちは、ではどうすればいい?と笑い顔を凍らせる。
(こんなときでも、おとなになると顔は笑うのか)

わたしは、どうして、あげれば、いい?

  

2005/7/16 ディスコ・ミュージック
下の文章、一応自分では時間をおいて、充分クールダウンしてから書いたつもりだったのですが。
「Dead or alive」を「Dead and alive」と表記したことを直そうとして、気づく。
いやあ、噴火してましたね。
ミットモナイ。お恥ずかしい。(わたしってナニサマ?)
(……でも削除しない)


最近、仕事場(レーザー加工の工房)でずっとBGMを流すようになりまして。
(社長がプレーヤーを買ってくれた☆)
ある日、RYOちゃんがもってきたのが、「ジュリアナ」
(一斉を風靡したディスコです。お立ち台だのジュリ扇だので有名)
RYOちゃんはわたしより5つ年下で、おにいちゃんがいたせいか、青春の文化度がかなりオーバーラップしているのですが、
それでも聴きながら
「ああっ、わたしのディスコ音楽は、もっと前のヤツなのよ〜」

帰ってから久しぶりに「Dead and alive」のCDの埃払って、聴いちゃったよ。
と言ったら、RYOちゃんに「and じゃなくて or 」と指摘され、
え? わたし今 and って言った? なんで?
それから、このページをみたら、しっかり and と書いてるし。

その先は恥ずかしくてRYOちゃんに言えなかったけど、
音楽に合わせて、少しからだを……揺らした。
マンションの階下に失礼じゃないかって?
当時は9cmのヒールを履いていたので、疲れるとステップを踏まず、
両足を開いて立ったままリズムを取っていたキネヅカがありますので。
しかし。
お尻がすごく重いし、5分で汗だくになり息があがった。
ふうう、20代ってすごかったんだわ。やれやれ。

RYOちゃんと以前、話したんだけれど、
今のコたちって、遊ばないよねって。真面目なのかな。
もっと遊んで、「余計な」経験積んだ方がいいのにね。などなど。
バブリーな時代が青春だった世代は、
かなりいろいろと遊んだ分、人間が練れたというか、
ものごとの段取りが手早いというか、切り替えが早いというか。
怒ることからも逃げないし。

ホラ、今の人たちって、怒ると責任も持たなきゃいけないし、
他人から嫌われると思い込んで、怒らないでしょう。

いやいや、これは世代の問題じゃないのかな。
「自分の考えを言える」「言えない」差は、なんなんだろう。
中学時代から続く友人たちとのプライベートの掲示板で、結局、書き込みするメンツは限られている。
そりゃ、まず、わたしたちの世代は、ネットで読む・書き込むことが身近でないことが当たり前なんだけれど。

下のレクチャーで、キムさんは
「真剣に遊んで遊んで、つきつめた結果がボクの作品」みたいなことをおっしゃった。
わたしは高3の頃を思い出す。
クラスメイトに問い詰められたのだった。
「あげんのものごとの捉え方は、わたしたちと違うと思う。でもどこが違うのかわからない」
わたしは1週間、考え抜いた挙句、
たぶんわたしは、遊び半分に生きてるの、と答えた。
「嘘だよ。あげんは何に対しても真剣じゃない」
いや、そうなんだけれど、価値観ていうのかな。
「それじゃ、わからないよ」
ごめん、1週間かけて探して、ようやく行き当たった言葉が「遊び半分」だったんだけれどなあ。
……悲しませてしまった。

キムさんの上記の言葉で答えれば、かの女も納得したのかな。と思う。
超真面目だったかの女は、それでも理解できなかったかも?

遊ぶこと。楽しむこと。忘れること。無我になること。余計な経験。
自分が他人をキズつける存在であることを受け入れること。
感情の振れ幅って言葉もあったな。(自分で思いついて使ったか、どこかで読んだのか忘れた)
それがね、いつかたぶん、
新しい何か(作品であったり、人間関係であったり、工房というシステムであったり)を生むのに役立つのさ。

 

2005/7/5 腹ヲ、タテル
大好きなパフォーミングアーツのダンサー・伊藤キムさんの1時間半ほどのレクチャーを受講したのですが。
終了したあと、自分の気分が理解できず、しばらく(文字通り)首をかしげて考え込んでしまった。
一番前の席で、もういろんなお話聞けたし、いろんなV(ビデオ)も観たし、目も合った(きゃふ)し、じっくりとキムさんをみられたのに。
なんなんだ? このアヤフヤな感情は?

アンケートを提出し、43階のフロアから地上に向かうエレベーターの中、しまった、握手くらいしてもらえばよかったなどと上を見上げ、そのとき自分がアンケートに書いたコメントを思い出した。
そして気付いた。

わたしは今、すっごく腹をたてているんだぁっ。

いやいや、歳をとりましたね。
自分が腹を立ててたことに全然気付かなかったなんて。

誰に腹立てたって、
インタビュー形式だったレクチャーの、進行役によっ。
自己顕示のカタマリっ。
見当違いの断定と、自分の考え・感想の押し付け。
意味のない言葉のまぜっかえし。
あんたのせいで話が空回りばかりして、
講師は内容の微調整する羽目になるし、
受講生は質問を重ねることができなかったし、
全然、話が枠の外に転がっていかなかったじゃないのっ。

たとえば、ね。
キムさんの代表作のタイトルに
「生きたまま死んでいるヒトは死んだまま生きているのか?」
というのがあって、これは丸谷才一の著作の中の一文をイメージしたそうなのね。
まあ、わたしは「裏声で歌え 君が代」の最後の方だったかな、とか思い出すわけだけれど、若い受講生はそういう、もっと突っ込んだ情報を得る権利、あったんじゃないのかなあ。わたしだって、ちゃんと確認したかった。
で、上記のタイトル。英語だと、
「Dead or alive」らしいんだけれど、
これ、当時流行っていたロックグループ名ですよね?
と、訊いてみたかったりするわけよ。
哲学と身軽さが同居しているキムさんだから、
タイトルひとつだって油断がならない。
どんなコメントやら考えがあったものやら。
もっといえば、上記のロックグループ、CD1枚ノンストップ風のディスコミュージックで、ボーカルはユニセックスが売りだった。作品に何かつながってたかも?
……っていうことを、
講師の唇からこぼれさせていくのが、進行役の作業でしょーがぁ。

活動中止の間、バックパッカーして世界をぐるりと一周する予定、という話になれば、
どこの国に行きたいの?
何か、見たい遺跡とかあるの?
許されれば、どこかの路上で踊ったりするの?
ううっ、質問を重ねたかった……。
説明しながら、指でくるりと水平な円を描いたけれど、
地球儀のそんなルートを辿っていくの?

でも、そういう流れにならないのさ。
進行役が、自分のペースだけでしゃべっているから。
この文章を読んだヒト、自分がそういう立場になったとき、気をつけようねっ。
進行役もむずかしいよ。

ただ一方では、
キムさんがちゃんとまぜっかえしを混ぜ返したり、
言葉の細かいニュアンスにまで真剣にこだわったり、
笑いを口元に含んで、受講生に問い掛けてたりするから、
んで、最後の最後には「実は、いつか学校を作りたい。ちゃんと自分でものを考えられる子どもたちを育てたい」なんて大告白をしたりするもんだから、
なんとなく、腹立ちが紛れてしまった、らしい。

わたしの細胞はねえ、
「禁色」の金曜日公演に出会ってから、
キムさんをかなり身近に捉えているんだと思う。

そして、
わたしの眼はいつの間にか、絵描きのそれでなくなっていることに気付く。
まあ、両腕の筋を1回は眼でなぞっていたりはするんだけれど。
人というオブジェとしてでなく、もっと内面を汲もうと表情とかを追いかけている。
顔の皮膚の張りのなさが、豊かな経験を語るようでいい感じだなあとか。
あの大きな眼。
ひとつで他の人の二倍も三倍も、世の中を見透かしていそうだなとか。
(古代エジプトの魔よけのような、横顔でもこちらをみている気がする不思議な眼だ)

今のキムさんが、
何を見たら聴いたら味わったら、どう感じ、自分の内部に落とし込んでいくのか。
思いを沈殿させて、
いつかあの大きな両手で、その上澄みをすくってみせるのか。

とても興味がある。

 

2005/7/2 ダンディズム
わたしのお気に入りの美容師のUスギくんは、
この2年ですっかりオトコらしくなった。
初めて会ったとき、
「あの、先に言っておきますけれど、ワタシ、男です」
えええええっ?
唇はピンクだし、金髪だし、どう言われたってコロコロと笑っている細い女の子にしか見えない。
手の指や、お尻から足へのラインを盗み見て、(絵を描く人間の眼ってこーいうことなのだ)ああホント、男の子だ……。
そのあとも、予約の電話でずっと話している間中、他の女性スタッフだと思い込んでいたりもして。

あ、すごい仲良しなの。わたしたち。
担当の美容師さんとこんなにお友だちになるなんて、初めて。
髪型とか大まかなことを伝えたら、あとはかなりおまかせ。
言いようによっては、今のわたしを誰よりも考えてくれてる男だもの。信じてる。
今の髪型?
ショートカットはかわらないけれど、襟足をのばしている。
それから去年の夏から、エクステーション(カラーつけ毛)を混ぜ込んでいる。今は赤。秋になったら濃い紫にしませんか?とか。

「あと20年くらいたったUスギさん、楽しみだなあ。それまで見ていられるかなあ」
「ええ? 来年とかじゃなくて、20年後?」
「男には2種類あってね。もっと歳を重ねたらどんなふうに素敵になるかなあってわくわくさせるヒトと、そうでないヒト。最近だけどね、そんなふうに見えてきたの」
「自分が歳を取る。わおっ、全然、想像できませんね」
「素敵だよお。楽しいよお。歳を取るってねえ。いろんなことが見えてくる」
「へえっ、楽しみ」
で、どういうときに男らしさを感じるかという質問になった。

わたしは前の月に見た舞台を思い出して、
キムさんがスーツを着る際のこぼれるような色気を説明しようとしたけれど、
うまくいかなかった。
カフスを止める仕草。指先でちょっと襟を整える仕草。
そういえば大昔、祐くんが普通にネクタイを絞めるのを見てドキリとしたな。
「ええ? わかんないです。男の色気ねえ……」
Uスギくんは不満げだ。
鏡を通して横顔を見ながら、大丈夫だよとコッソリ思う。
あと20年たって祐くんの歳になったとき、
それまでの毎日、今のようにきちんと1日1日を積み重ねていけたら、
仕事と向き合っていけたら、
君はきっと素敵な男になっているよ。

  

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